雑文保管所

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【タクティクスオウガ 運命の輪】 ストーリー考察(45)

クレシダたちには死を覚悟する台詞を吐いていたが、敵に対しては毅然とした態度を取る。
武人だ。

捨て身の敵ほど怖いものはない。

ここでは「公爵がデニムを嫌っている」と言っているが、
実際は誰よりもザエボス本人がデニムを嫌っているのだろう。
彼の言葉はそのままザエボスから見たデニムの評価であり、
こういうタイプの人間は彼にとって最も唾棄すべき存在だと思われる。
自らの手を汚さずに結果だけを掴もうとする、ハイエナのような存在である、と。

ザエボスの中では、人の上に立ち民を導く者は手を汚す覚悟がなければいけない、という確固たるポリシーがあるようだ。
考え方としてはレオナールに近いか。
ザエボスはバルバトスとは異なり、ガルガスタンの繁栄を望んでいた。
国のことを思うがゆえに手を汚してきたのだというプライドがあるのだろう。
ザエボスはデニムを軽蔑し、デニムはおそらくそういうザエボスの考え方が理解できない。

人の上に立ち、民を導こうとするものが汚れずにいられるわけがない、
というザエボスのポリシーか。
自分は汚れない、清廉なままでいるんだともがく若者が、現実を知り、
そして汚れていく様をニヤニヤしながら見守りたい、って感じかな。
ちょっと下種すぎるか。

死に際に、一瞬悔悛かと思われる言葉を吐くが、結局最後までデニムを侮蔑し、笑いながら死んでいく。
ここまでデニムは一言も話さない。
これまでは敵と論争を繰り広げてきたデニムだが、ここではザエボスの言葉を聞くだけ。
ザエボスの言葉を胸に刻みつけながら、決して理想を投げ出したりしない、と決意を新たにしたか。

これでガルガスタン軍は正真正銘、壊滅となる。